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道具作り ノミ・ナイフ
2008/10/26(Sun)
ノミ・ナイフ

 今回はノミ・ナイフ作りの講義からです。
必要な手工具を用途によって自分で作るのは欧米ではめずらしくないようです。日本でも手工具を自分で作っている人を時々見かけますが、はがねに手を加えるのは難しくて自分では無理だと感じていました。しかし、自分で道具を作ってみると以外に簡単でした。
 道具をつくることは、非常に楽しい作業の一つです。また作業に合った道具をつくることによって作業を正確かつ簡単にすること出来るし、お金も節約できます。たとえば、1.5mm幅のノミを高いお金を出して買う必要はありません。簡単にできます。

ノミ・ナイフ作りの道具

材料
 ホームセンターで手にはいるバーナーと鉄ヤスリがあれば以外と簡単にできます。グラインダーがあれば便利です。
 今回材料に使ったのは使い古した金属用のヤスリと幅が9mm程度の市販の鋼です。写真左にあるのはニードルファイルで小さなノミやナイフを作るのに便利です。

ノミ・ナイフ作りデモ

焼き鈍し
 まず初めは、はがねを柔らかく加工しやすいようにする焼き鈍しをします。英語ではsofteningやannealingと言います。
 これをしないと鋼は堅くて刃が立ちません。自分はこれをやる前に金ヤスリを金のこで切ろうとしてのこぎりの刃をだめにしました。カセット式のバーナーを使い真っ赤になるまで熱し、あとはほっといて自然に冷却します。これで鋼も自由に切断したり、ヤスリをかけて加工が出来ます。

焼き鈍し

焼き入れ
 加工が終わったら焼き入れをします。焼き入れによって鋼が堅い状態にもどります。英語ではhardeningと呼んでいます。今回は冷却にピーナッツオイルを使いました。鉱物油より嫌な臭いが少なく、引火の危険も少ないのでこれを好んで使っているようです。写真の瓶に入っているのがそうです。方法は、加工し終わったものをペンチで挟み、先端を下にして真っ赤になるまで加熱しピーナッツオイルに落とします。この後焼き戻しをする前に刃物の裏を平らにしておきます。ポイントは各段階で少しずつ裏を平らに研いでおくことです。

焼き戻し
 この作業が感や経験に左右されるところで一番失敗しやすいところで、英語ではtemperingといいます。ここでは、簡単でほとんど失敗しない方法を教えてもらいました。なんとオーブンを使います。オーブンにいれて175度50分にセットし、後は自然に冷却するのを待つだけです。

(はじめ350度と書きましたが華氏で、摂氏では175度程度です)

ノミ・ナイフ2

ノミ・ナイフ

裏だし・刃付け
 最後に裏を仕上げて、刃を付ければおしまいです。慣れれば30分程度で焼き戻しの前まで行きます。

ノミ・ナイフ3

柄付け
 ハンドルは刃が長くてもつところがあればいりませんが、気に入ったものを自作して付けます。
刃を柄に付けるには、ドリルで穴を開けて刃を仕込んでエポキシというボンドで接着するのが簡単です。

参考書

 今回の授業の参考書はComplete Modern Blacksmithで、中は著者自身が書いたきれいな絵が沢山あり分かり易いものです。眺めるだけでも満足します。
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インサイドパッセージスクール、その周辺
2008/10/19(Sun)

Inside Passage School 

インサイドパッセージスクールの正面です。

建物は新しく中もきれいに整備されています。メインの建物は生徒の作業台があるベンチルーム、機械のあるマシーンルーム、木材置き場のウッドストレージ、先生用のワークルームがあります。その隣には、主に生徒と卒業生の作品が並ぶギャラリー、オフィスの建物があります。

カフェ 

この町、ロバートクリークはとても小さな町ですが、学校の周囲に何軒かの店が集まっています。写真は、学校正面のカフェです。ほぼすべてオーガニックでそろえているそうですが、タリーズ並かそれ以上に値段が高いというと分かってもらえるでしょうか。休みの日に早く行くと今でもヒッピー風の人たちに会うことができます。

アウトドアショップ 

学校となりのアウトドアショップです。ここの周辺は海、川、山がありアウトドアには最適な場所です。今はまだ時間がないので行けないのですが、いつか行ってみたいです。シエラデザインのショップです。

郵便局 

学校から50mほどのところにある郵便局とそのとなりは小さな図書館です。どちらもこじんまりしていて良いところです。ここでは日本人がめずらしいせいか、すぐに覚えてもらえました。

ゼネラルストア 

町に一軒のお店です。値段はスーパーに比べ非常に高いのですがかなりいろんなものが手に入ります。日本の海苔、みりん、お酒、わさびもおいてありました。それなりに重宝しています。

ほかにも、小さな自然食品店、ヨガ教室などが並んでいます。とにかくほかにはなにもない小さな町ですが、夜は店も閉まり、真っ暗になり、1日を通して静かな町です。日本も30ー35年ほど前は夜と休日は静かで夜は今より暗く、星もきれいに見えていた覚えがあります。

夕焼け 

 

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カナダでバスに乗る
2008/10/17(Fri)
バス

 毎週日曜日は買い物の日です。1週間分の食料と必要なものを買い出しに行く一大イベントです。
9月の終わりに妻と3歳になる息子がカナダに来たため、1週間分の買い物は大変な量になります。
ここロバーツクリークには小さなコンビニのようなゼネラルストアが1軒あるのみで、必要なものは隣り町に行かなければなりません。車で15分くらいのところに小さなショッピングモールがあって必要なものはだいたい手に入ります。

 車がないので3人でバスに乗ります。
 ここは、アメリカとは違いバスは安全で便利な移動手段です。ただ日本のバスとは違い気をつけることが2点あります。一つは、バンクーバー市内でも同じですがおつりがでません。小銭かバスチケットを持っていないと困ります。ここでの料金は2ドル25セントです。バンクーバー市内では、ゾーンと呼ばれる地域に分かれていてそこをいくつ通過するかで料金が決まります。

 もう一つは、バス停の案内がないことです。自分の降りるバス停とそこの景色を知らないと冷や汗をかきます。運転手に降りるところを言っておけばアナウンスしてくれますが、バス停に名前がないため
行きたいところのだいたいの住所、通りの名前を知っておく必要があります。
 降りるところが近づいたら、バスの中に張り巡らされている、黄色いワイヤーを引っ張って知らせます。
 バス停もかなりシンプルなもので、よく見ないと分からないことがよくあります。
 最近やっとバスに乗るのも慣れてきました。

バス停

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西洋鉋 ブロックプレーン
2008/10/13(Mon)
西洋鉋

 西洋鉋の種類は、表面を平らかつなめらかにするスムースプレーン、木端面を削るジョインタープレーン、木の繊維と垂直に交わる小口面を削るブロックプレーン、日本の反鉋にあたるクーパープレーン、その他のものに大きく分類されます。
 素材でいうと、金属で出来た既製品と自分でも作れる木製の鉋があります。
 今回は、ブロックプレーンについて少し感想を書こうと思います。
初めの写真にあるのは、大きな金属製のスムースプレーンと小鉋程度の大きさのブロックプレーンです。大きな鉋は非常に高価なものでクラスメートから借りて写真を撮らせてもらいました。

ブロックプレーン

 西洋鉋と日本の鉋の一番の違いはやはり押して削るか引いて削るかでしょう。日本の鉋に慣れている人なら、押して削るのはすぐに慣れると思います。1-2日で違和感はなくなります。力の加減も逆なだけで要領ほとんど違いはありません。引いて削るのは西洋鉋に慣れている人には意外に抵抗があるようです。引いて削ると腰が痛くなりそうだという意見が多かったです。

底面
部品

 インサイドパッセージスクールではブロックプレーン以外は木製の鉋を自作することを勧められています。ただしブロックプレーンだけは買う価値があると助言され購入しました。
 ブロックプレーンの特徴は小鉋のように小さく、刃が大分寝て切削角が小さく、小口(木の繊維と垂直方向)を削るのに適していることです。また金属で出来た機械式の鉋は、一旦鉋の下面を平らに修正すればほとんど下端の修正がいらなく、刃口(鉋の刃が出るところ)の幅と刃の出具合がレバーで調節できます(例外もあります)。
 まあ何が言いたいかというと、この小さなブロックプレーンは非常に使い勝手が良く普段日本の鉋を使っている人でも慣れるのに時間がかからず、買う価値が十分にある西洋鉋だと思ったということです。
 自分はこれで時間があいた時に箸を作っています。箸を作るには最適です。
 これの仕込みは簡単で、またどこかで説明したいと思います。

夕焼け



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授業風景
2008/10/10(Fri)
講義の準備

 週の初めの月曜日の朝は、クレノブを初めとする人の本の一節を朗読することから始まります。続いて週の予定、その日の予定を説明します。毎日黒板に予定がかかれています。
 日本でもたいていの学校にはカリキュラムがあると思いますが、感心するのは正確に予定に沿ってやろうとし、事実そう進んで行きます。
 カリキュラムは一見無茶と思える時もありますが、ほぼ予定通り進行するのは先生がかなり準備をしているからだと思います。
 朝学校に着いた時には、先生のワークベンチの上にはその日のデモで使う道具が整然と並んでいます。初めの写真は蟻組で使う道具についての講義の時のものです。

デモ

 講義はベンチの周りで生徒が見守る中ジョークを交え説明しながらよどみなくデモが進んでいきます。まるで料理番組を見ているかのようで引き込まれます。いかに見せる場面を作りながら、わかりやすくやるかと考えて講義を作っているかが分かります。講義は一つの単元は一気に進みます。そのためよほどしっかり聞いて、あるいは僕の場合は見てメモしておかないと後で分からなくなります。

 1時間半程度のデモの後は、各自がそれを実際にやってみます。ただ、その日に何をどんな順番でやるかは各人に任されています。疲れたらいつ海岸に行ってもOKです。エスプレッソメーカーでコーヒーをいれたり、物を食べながらやるのも全く問題はありません。
 先生はその間、端から順番に各人を見て回ります。その時に今ある問題点、今後の自分の予定を相談したりします。

 こんな様子で授業は進んでいき、リラックスできる分作業に集中できます。

海岸の夕焼け



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ウォークアラウンド
2008/10/04(Sat)
Walk Around

 学校が始まって約一ヶ月が経ち、やっとこっちの生活に慣れてきました。ここでの授業の進め方には驚くことが多々あります。今日は初めてのウォークアラウンドがありました。ウォークアラウンド・・・?いったい何が始まるのかと不安になりました。もう慣れましたがこういう時はとにかく周りの動きを見守ります。
 みんなのワークベンチを周り、その人が今取り組んでいること、失敗、修正方法で気がついたこと、次のプロジェクトなどをプレゼンします。それには関係なく好きなことを話している生徒もいました。先生も例外ではなく、先だってスケッチブックを持ってきて今後のプロジェクトの話を始めました。自分の番の前には休憩を入れてくれ、みんなが場を和ませてくれたりしたおかげでなんとか持ち時間をつぶすことができました。
 自分の頭を整理し、考えをはっきりさせること、ほかの人の知識、経験、考えを共有するという意味では非常に良い経験になると思います。
 話は変わりますが、東京・青山にある椅子塾に一時期通った経験があります。そこの塾長の井上昇先生は、アメリカのクランブルッグの卒業生です。椅子塾での授業では毎回、スケッチを持ち寄りプレゼンし周りと意見の交換をしました。これが新鮮でとても役にたったのを思いだしました。今回留学しようと決意したのも、椅子塾での経験とそこでの人との出会いがあったことが大きいのです。

 教室には、常にチチとシャインという二匹の犬がいます。日本では考えられない光景です。

チチ・シャイン
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道具作り・西洋カンナ
2008/10/02(Thu)
初めての鉋

 周りを見ていると、自作の手工具を持っている人が多いことに気づきます。
各種の鉋、自由定規、スコヤ、ナイフ、それに鉋用に小さな玄翁まで自作しています。
自分の場合は、訓練校時代に南京鉋を一つ作った経験があるのみです。

 この学校でも道具作りの講義が数多くあり、そのメインは鉋作りです。
西洋鉋は、金属で出来た既成のものと木製のものがあります。金属で出来たものはそれなりに使いやすくどこかで特徴を書いてみようと思います。

 木製の鉋のほとんどは自作します。
 鉋の刃と裏金はセットになり、1 1/2、1 1/4、1インチの3種類が主流で簡単に手に入ります。鉋の台は、堅い木のブロックから8-9mm程度の厚さの両サイドと刃の幅より1.5mmほど広いセンターブロックを切り出して貼り合わせる構造になっています。慣れれば半日程度で作れます。
 さて結果は、良く切れます。予想以上に驚くほど切れ、使い易い。仕込む手間がほとんど無く、使う人にほとんど依らないのが特徴ではないかと思います。
 下端はサンドペーパーで完全に平らにし、刃口は糸ぐらいに狭くして、刃も前回書いたように十分刃を付けてあります。
 図解木工技術(佐藤庄五郎著)には、どの種のカンナも調子を堅くし(がたつかなぬようにし)、刃口を狭くして、下端の不正を直せばさか目や筋の多い木も削れるとの記載があります。それを考えると切れて当然と納得します。
 
 もう一つ面白いのは、その後、それぞれが自分に使い易いように形を作り、個性を出そうと努力しています。
 写真は自分が初めて作ったカンナです。荒削りですが使い易く満足しています。
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ベアー
2008/10/01(Wed)
熊の落とし物

 日本を発つ前はバンクーバー郊外で生活には不自由しないところと思っていました。バンクーバー国際空港に着いたのは夕方。入国審査等で遅くなり、車とフェリーを乗り継いでこの家に着いたのは夜11時。あたりは真っ暗でどんなところか全くわからないまま床につきました。夜中家の裏でドスンと物音がしたのを覚えています。朝外を見てみると、庭の真ん中に人の10倍位ある大きな糞!がありました。木の実が沢山混じり、不思議とやな臭いがほとんどありません。後で熊のものだと教わりました。
 周りは木々が生い茂り、ブラックベリーがいたるところになり、リンゴ、ブドウの木もあります。周りに街灯はなく夜は足下も見えないほどのところでした。
 次の一週間、夜中に家の周りを歩き回る音、木の枝が折れる音、熊の姿は見えませんが気配を感じながら過ごし、朝熊の落とし物を片付ける日々でした。こんな身近に熊の気配を感じながら生活することになるとは思ってもみませんでした。

海岸
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