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James Krenov (ジェームズ・クレノブ)の訃報
2009/09/11(Fri)
今日の夕方、クレノブの訃報が学校から送られてきました。

Krenov

インサイドパッセージスクールに行くまでは名前程度しかしりませんでした。
それが、学校での9ヶ月間、毎週クレノブの講義を聞き、著作を読み、実際にクレノブ
の作品に触れることで、家具作り、木工に対する考え方が全く違うものに変わりました。
今でも昨日のように講義で一心に語りかける声が聞こえてくるようです。

ご冥福をお祈りいたします。
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クレノブスタイル家具製作 ボーリングマシーン
2009/03/30(Mon)
ロバーツクリークの夕焼け


3月も終わりに近づきましたが、ここロバートクリークではまだ肌寒い日々が続いています。
今月の始めには、早々にサマータイムに切りかわり、夜も徐々に明るくなってきました。
ここでは11月から3月の始めの4ヶ月が冬時間であとの8ヶ月は夏時間です。
働いている人にとっては帰宅してもまだ明るく、その分エネルギーの節約にもなりエコロジーで良い制度だと思います。ただ変わり目は少し苦労します。

さて学校では、このクラフトマンプログラムも残すところ後2ヶ月あまりとなり、周りの生徒も疲れと焦りが見え始めました。今年は、例年より多く4人の生徒が2年目に進む予定です。
自分が作っているV字型をしたショーケースもほぼ完成に近づきました。残りの時間で椅子を制作しようと思っていますがどうなることでしょうか。

ボーリングマシーン

今回はだいぶ間が空きましたが、ボーリングマシーンについてです。
ボーリングマシーンはクレノブスタイルの家具作りでは欠かすことはできない基本的な機械です。
この学校でこれを覚えると、欲しくなる機械の一つです。学校で使っているのはデービス&ウェルスの旧式のものですが、鋳鉄でしっかりした使い易いものです。中古で値段は200-500ドル程度で手に入る様ですが出回る数は多くはありません。自作するのも可能だと思われます。

ボーリングマシーンは、ドリルプレスを水平につけただけような非常に単純な機械です。
一見水平ルーターと似ていますが、モーターは1/2から3/4馬力程度とかなり弱いものでこれがポイントです。馬力が大きいとデリケートな加工ができなくなります。

さてこれで一体何ができるのでしょうか。
基本的に2種類の穴を開けることだけです。普通のドリルビットをつければまっすぐに穴が空き、ルーターで使うスパイラルビットを着け水平に動かせばほぞ穴を開けることができます。

クレノブスタイルのキャビネットの製作では、本体の天板・底板・しきりと色々なところにダボを多用します。日本の訓練校では本体の組みにダボを使うことは皆無で、ダボで接続すると聞いた時はえーっダボかと思いましたが、使っているうちにその使い易さと奥の深さに気づきます。安物の椅子がぐらつき壊れてくるとダボが見えてくることもあったり、一般的にダボのイメージはかなり悪いのではないのでしょうか。

ただここで加工するダボは、必要以上に多くの数を使用し強度も強くなります。加工する側の利点としては木材が多少動いて歪んでもダボの数を多くすれば、隙なくきれいに接着できます。強度も必要以上に多くの数を使用するため問題はありません。80cm程度の幅のキャビネットを作っている生徒は天板だけで100個近くのダボを使っています。

ボーリングマシーン2

ボーリングマシーン4

本体にダボを使う場合、まず木片でテンプレートを作り側板の木口の加工面に釘を使って取り付けボーリングマシーンを使ってテンプレートと同時に穴を開けます。垂直、深さは手で調節します。天板・底板はドリルプレスで同じテンプレートを用いて穴開けします。

ほぞの加工です。角のみとは違い穴の角は丸くなります。そのため後で角をのみでまっすぐにするか、ほぞの角を丸く作ります。写真はフローティングテノンの例です。ビスケットのようにほぞ自体は借り物です。ほぞはルーターで簡単に丸く加工できます。それに対し普通のほぞはライブテノンと呼ばれノミとヤスリを使って丸く仕上げます。

ボーリングマシーン3

フローティングテノン1

フローティングテノン2
この単純なボーリングマシーンが最も活躍するのは、椅子のほぞを切る時のような2方向に角度がついた時です。XYテーブルを取り付けると同じものを量産することも可能で、椅子づくりにはぜひ欲しい機械です。

椅子のほぞ

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カメラマンが家具の写真をとると
2009/02/26(Thu)
家具の写真をとる風景

家具を作っている人なら、見栄えする写真を上手くとることに苦労した人は多いと思います。
写真は過去に自分が制作したものを人やカスタマーに見せるのにとても大事なものです。ただ僕が過去に写した写真で満足に撮れたものは一枚もありません。
テーブルや椅子などの脚物は、必ずといっていいほど脚が歪んで写るし、サイドボードは間延びしてしまいます。でも特に苦労したのは背景です。狭い工房ときれいとは言えない家の中ではなかなか写すのに適当なところはありません。
かといって、よっぽどのことがない限りプロのカメラマンに頼むことはお金がかかりすぎてないのではないでしょうか。

今回、この学校が契約しているカメラマンが作品を撮影する場に立ち会うことができました。
インガという名のカメラマンで主に人物とプロダクトの写真を撮っているそうです。
時には、日本人が結婚式を挙げにバンクーバーに来たときに写真を撮ったりすることがあるそうです。

場所は学校のギャラリーで、背景には幅が2.5m程度の巻き取り式のペーパーを使っています。このペーパーは学校のもので、プロジェクターのスクリーンのように壁に巻かれた状態でかかっています。これなら工房の壁に付けておいても良いと思いました。

びっくりしたのは、シャッター、絞り、照明をパソコンに連動させコントロールしていました。各ショットに付きF値は16,18,20と3枚ずつとっていました。

かなり丁寧に仕事をする人で、各々の希望を聞いて一つの作品あたり40分程度かけて撮影していました。

キャビネット

キャビネット01


今回撮影してもらったワインキャビネットの写真です。木目の流れがはっきりわかります。
ニレの木を主に使い、背板にはカビの入ったピーカン、抽斗の前いたにはオリーブ、側板にはクレノブからもらった名前のわからない木を使っています。取ってはチークです。

キャビネット2

抽斗の詳細です。

今回感じたのは、ある程度のカメラとペーパースクリーンと照明を工夫すれば何とかそれなりの写真は写せそうだということです。

椅子塾の井上先生は、ほとんどの写真を自分でとっています。青山にある教室で、普段授業に使っている大きな白い机が台になり、白い壁が背景となります。カメラはリコーGRデジタルを使っています。
ホームページで出来を見てみてください。

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自作プレス機
2009/02/15(Sun)
自作プレス

以前にも少し紹介した簡易プレス機です。
プレス機とは、板材と板材を圧力をかけて接着するする非常に単純な機械です。
自分で製作を始めるとプレス機が欲しくなります。しかしながら工房の大きさと予算の関係でプレス機まではなかなか手が出ませんでした。そのためゴム系のボンドを使い足で踏んだり、たたいたり、クランプして合板を接着していました。

現在、単板を使うものを製作する際に欠かせないのが、プレス機とバキュームプレスです。
この学校では、両方を備えていますが、機械式のプレス機は自作したものを使っています。バキュームプレスに関してはまた別の機会に紹介しようと思っています。
この自作プレス機は構造が単純で場所もとりません。プレスする力も商業用のものと比べても遜色ないと思います。とても使い易く、作るのも比較的簡単です。
ここではタモの角材を使用しています。

自作プレス機2

中心の平面の台は、厚いMDFと合板を接着して作っています。単に厚いMDFを3層接着するだけで十分だと思います。プレスする時には、力を均等にかけるため角材を挟みこんで使用します。

自作プレス機3

一つ一つはこのように単純な構造です。

自作プレス機4

使わない時はこのように工房の隅に置いておけば、じゃまになりません。床において使えば特にのせる台も不必要です。

ただ使用しているバイスが日本で簡単に手に入るかどうかが問題です。何か他に変わるものはあるのでしょうか。だれか知っている方がいれば教えてもらえるとうれしいです。


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クレノブ式木製鉋 鉋を制作する
2009/02/08(Sun)
クレノブの鉋

写真の鉋はクレノブが作ったものです。
西洋鉋というと金属製が主流で非常に高価なものですが、木製鉋も使いやすさでは全く引けを取りません。むしろ、この学校にきていったんクレノブ式の鉋の作り方を覚えるとブロックプレーン以外は自作した木製鉋以外は使わなくなります。

鉋を自分で作ることは非常に楽しいことで、家具を作るのと同程度といっても言い過ぎでないほどの満足感が得られます。クレノブは現在80代後半で、目を悪くしてから大きな家具は作っていないそうですが、この鉋は今もなお作り続けています。鉋を作るようになると、形を自分なりにデザインしたり、持ちやすいように変形させたり、反り鉋のようなものは使う曲率に合わせることや、使う木の堅さによって刃の角度も自由に変えることができます。

ロバートの鉋

写真は先生のロバートが作った鉋です。キングウッドという木で模様がきれいです。

ジョインタープレーン

自分が作ったジョインタープレーンです。日本の長台鉋にあたり、木端を平らに削ったり、板はぎに使います。かなり使いやすいものです。

この鉋は、だれが作ってもかなり良好の切れ味になります。その理由は鉋の台にあります。台をサンドペーパーで真っ平らに仕上げることと刃口(刃と台のすきま)を可能な限り狭く作ります。鉋は台で切るということを実感します。そのため日本の鉋とは違い仕込みの手間がほとんどかかりません。

鉋刃

鉋の刃は、1インチ、1・1/4インチ・1・1/2インチが主流で、写真のように裏金がねじで鉋刃に固定されています。値段は50ドル程度で売られています。この学校では鉋刃も自作することを教わりますが、それほど簡単ではなく、焼き入れによって切れ味に差がでます。

木製鉋の構造
木製鉋の構造2

材料になる木は比較的重量があって安定した木を使用します。ただ楢やタモでも使用に耐えるものは作れます。
角材から写真のように切り出します。両側のチーク呼ばれる部分は厚さが8-9mm程度、中心のセンターブロックと呼ばれる部分が刃の幅+1.5mm程度。刃口は台の中心より12mm程度台頭より。刃の台の角度は45度、頭の方は60度(写真では手前が台の頭)。木のピンの位置は、台の下面から30mm、裏金から10mm程度のところにあります。言葉のみで説明すると難しいですが、これが基本的な構造です。後は、ダボで仮固定してボンドで接着し、バンドソーで好きな形に切り出します。

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