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最後の9日間
2009/05/08(Fri)
life after school

ここカナダでは桜も咲いて徐々に春らしくなってきましたが、朝、晩はまだまだ寒い日々が続いています。新型インフルエンザはニュースでは放送されていますが、カナダは都市部を抜かして極端に人工密度が低いためもあるのか日常会話ではほとんど話題にあがりません。この時期近くのスーパーではメキシコ食料品フェアをやっていたりしてびっくりしました。

さてインサイドパッセージスクールでは、この間様々な技術の応用編のデモがあったり、制作が進行し、あっという間に2ヶ月近くが経ってしまいました。気がついてみれば後9日間でこのクラフトマンプログラムも修了してしまいます。

ベンチ周り

学校はかなりベンチの周りも各自のプロジェクトや物であふれ混沌としてきています。機械は朝6時から夜7時まで動き続けています。その後もベンチの使用は時間制限はありません。遅くまでいる生徒はいったいいつ帰っているのかもなぞです。

いたづら1

そんな様子ですが、この時期いろんないたずらが横行しています。
写真は制作中のキャビネットの上に筆に付いたボンドがこぼれている設定です。もちろん用意周到に準備されたいたづらです。


いたづら2

完成間近のキャビネット大事にラッピングされています。本人が居ない間に靴下と靴をはかされていました。

それから写真はありませんが、実家に帰って数日学校を休んだ生徒のスツールはベンチに両面テープでガチガチに固定されてしまいました。

最後の9日間でみんな焦りに焦っていますが、それなりに楽しむのも忘れてはいません。




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マーケトリーって何
2009/03/06(Fri)
ジェイソン

マーケトリーとは、日本語で象眼にあたります。日本の工芸の世界では貝殻や銅、銀、金など高価なものを埋め込むことが伝統的に行われています。

欧米では家具にも木の象眼を施すことが普通に行われています。
今回、卒業生のジェイソンを迎え講義とデモが行われました。写真の作品はこのジェイソンがこの学校の2年目に制作したものです。木々のマーケトリーが曲面に施されています。彼にとってはこれが初めてのマーケトリーだそうです。

マーケトリー1

技術自体はいたってシンプルで、まず紙にデザインを描きます。色合いの違う薄板を二枚重ねにしてします。糸鋸を通す部分を糸鋸の刃と同じくらいの系のドリルで穴を開け、糸鋸の刃を通します。

マーケトリ2

台を斜めして切ることによって、上に置いた薄板の切り取られたものが下の薄板の部分に治まります。台の角度は、薄板の厚さと糸鋸の刃の幅によります。試し切りをして角度を決めます。

マーケトリ3

写真は現在ジェイソンが作成中のキャビネットのマーケトリーです。全体に何重にもメープルの葉がデザインされています。これがキャビネット全体にわたっているそうです。

バーブ

これは、クラスメートのバーブがキャビネットのために試作した、木の葉のマーケットリーです。数日没頭してこれくらいできるようになりました。とても美しい作品で、できあがるのが楽しみです。

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2月 学校での制作の様子
2009/02/13(Fri)
ロバートの椅子

今月に入り、学校では2作目の制作も徐々に進んできています。中には3作目に取りかかっている生徒もいます。2週間に一度程度の割合で恒例のウォークアラウンドが行われています。写真は今年何度目かのその様子です。
ウォークアラウンドとは、文字通り各々のベンチをみんなでぞろぞろ歩いて回ることで、そのベンチの持ち主が今制作しているものこと、難しかったことや失敗、こうやったら良かったようようなことをプレゼンテーションします。
一人あたりの持ち時間5分で、先生、講師も例外ではなく、全部終えるには半日がかりになります。
人の考えや技術等かなり参考になります。訓練校では、自分のことで精一杯で人がなにをやっているのかをみる余裕はなかったように思います。
しかしながら、英語でのプレゼンは正直かなりの負担です。

2作目の課題は一部に単板をつかうことです。単板を使って板を作る技術をベニアリングとよんでいます。日本では合板のことをベニア板と呼ぶことがありますがそれは正しくはありません。ベニアは無垢の薄い板、単板のことで、合板はプライウッドと呼びます。

単板を使った家具は無垢の家具より、北米、ヨーロッパでは一般的なものです。単板は自分でバンドソーで挽きます。厚さはだいたい1/16インチ、約2mm弱です。芯には、自分でランバーコアを作るか、合板を使用する時もあります。いぜれにしても無垢の板よりも数段手間がかかります。
利点は、木の良い部分を最大限に生かせること、形・作りの幅が広がること、木の動きを極力抑えられることでしょう。

またいつか、ベニアの技術の詳細を書いてみようと思います。

スティーブのローテーブル

スティーブの作っているローテーブルです。
写真のものはアッシュ(タモ材)です。脚は単板を重ねて曲げて作っています。一つ普通と違うところは、積層して曲げて作っている脚一つ一つが上部にいくに従い、テーパーしています。これは後から削ったわけではなく、元の単板一枚一枚が同じようにテーパーしている技術を使っています。トップはガラスになるようです。

ブラッドのベビーベット

ブラッドが作っているベビーベットの途中経過です。妹二人がもうすぐ子供が生まれるそうで、それに合わせてこれを制作しています。脚を削り出すのに大夫苦労していました。脚のカーブに沿って、木目も上手くカーブしています。ブラッドは学校で一番頑張ってやっている一人です。夜いつ帰っているのか全く分かりません。こうしている間にもどんどん進んで、写真とは大夫変わって、ほとんど完成の状態です。次のサイドボードの制作に入りました。

ダグのキャビネット

3年目になるダグのキャビネットです。四方向に抽斗が8つ、扉が二つ着いています。一見正方形ににえますが、すべて凹面の曲線で囲まれています。当然抽斗も左右非対称に曲がっています。ダグは家具作りを初めて3年目50代半ばですが、作る物は際だっており、年齢は全く関係ないと思わせてくれる人です。

今の様子このような感じで、だんだんと教室が忙しくなってきてきています。

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前期の作品 2
2009/01/14(Wed)
前期に制作した作品の続きです。

スティーブ
スティーブ2

カナダ、トロント出身のスティーブの作品です。元コンピューター関係のエンジニア、早期にリタイアして木工を始めました。仕事の効率の良さは見ていてとても参考になります。正面のドアの鏡板はリンゴの木、本体と枠はブラックウォールナット、抽斗の前板はニレの木です。シンプルに見えますが59個の部品から出来ています。これを作る際、マシーンルームでは一度も定規を使わず、すべてストーリースティック(盛り込み棒;長さを本体から実測でひろって印を付けた棒)を使って切るように努めたそうです。定規を使わないのはクレノブスタイルの一つです。

クレイグ
クレイグ2

クレイグの作品です。スウェーデン系のアメリカ人で作品も北欧のデザインを感じさせます。かなり綿密に計算して制作しています。アビュータスという地元の木と抽斗の前板には杢の入ったメープルを使っています。

ブラッド

カナダ、アルバータ出身のブラッドです。自分のベンチのとなりでベンチメートです。制作はかなりラフなスケッチで始まり、作りながらどんどん変化していきます。失敗も多いのですが、取り返しの付く失敗で、それを繰り返しながら作品が出来てい来ます。制作しながら変化していくのもクレノブスタイルです。

ワインキャビネット
ワインキャビネット


自分が制作したものです。本体にニレの木、抽斗の前板にオリーブ、背板にピーカン、取ってにチークを使っています。正面のドアはS状に、側面も曲面に鉋で削り出しています。左右の側面は対称ではありません。
この学校に来るまでは湿度による木の動き以外に木目を気にしたことはほとんどなく、いかに無駄を減らすように木取りするかを考えていました。木目を考えることは今回のテーマの一つです。この作品ではすべてにおいて木目を考え、この小さなキャビネット(450×160×125mm)を作るのに、幅600、長さ1800mm、厚さ55mmのニレを使用しています。信じられるでしょうか。
ここではどのように作ったかは細かくは書きませんが、ほとんどすべての制作行程が日本で学んだものと異なっていました。
また、これを制作する課程で必要な西洋鉋4本、ノミ、ナイフ、自由定規、ダイアゴーナルスティック、ヒンジ、キャッチ、壁掛け用の金具を自作しています。

ファーガル

前回紹介したアイルランド出身、ファーガルの作品です。チークを使用したキャビネットです。トップが日本のカブトやトリイを思わせる形をしています。これに限らず、こちらの創作家具には日本のモチーフを使ったものが数多くあります。たんす・障子・和紙・組子などは好んで用いられます。
抽斗が取り外されていたため内部の写真はとりませんでした。

ジョディ

カナダ、トロント出身で20年以上俳優をしていたジョディーの作品です。マホガニーを使ったコーヒーテーブルです。他にも同じ形のものを作っていますが、そっちの天板にはきれいな彫刻が施されていたした。蟻組の抽斗が一つ付いています。

他にもまだ制作中の作品があるので、完成次第写真をアップしようと思います。

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前期の作品
2009/01/12(Mon)
ここロバーツクリークでは、12月中の例年にない寒さと大雪に見舞われましたが年が明けてからは例年通りの雨が降り続く梅雨のような気候に戻りました。
学校も2週間の休みが終わり、1月5日から後期の授業が始まっています。

日本とは違い後期の初日は大掃除で始まりました。
日本であれば最終日に掃除をして終業式、仕事納めになることに慣れていたので少しびっくりしました。ここでは、最終日は制作、展示会とパーティーで盛り上がって散らかしたまま終了しました。
ささいなことですが、場所が変われば常識も変わるものだと実感しています。

プレゼン

初めの写真は、前期の作品のプレゼンの様子です。
イギリス人のマイケルは自分の斜め向かいのコテージに住んでいます。フォトジャーナリストで世界中を飛び回っていたそうです。奥さんのクリスタルはベルギー人でなんと5カ国語を操り、国境無き医師団のアドミニストレータとして世界の紛争地・途上国を渡り歩いてきたような人です。二人とも常識にはとらわれない自由な雰囲気の持ち主です。二人には今4ヶ月を過ぎたかわいい男の子がいます。
作品は、クウィラという木で作ったウォールキャビネットです。シンプルで細長く、まるでモノクロームの写真をみているかのような光と影を感じさせる作品です。

ニック
以前に紹介したニックの作品です。テーパーした曲面で構成された非常に難しい蟻組の箱です。
本体の材料はアビュータスで、ふたは杢のはいったメープルで出来ています。

バーブ
前回紹介したバーブの作品です。彼女の最初の木工作品ですが非常に仕上がりがきれいです。内部の写真はありませんが、中にも小さな細かい蟻組をした取り外し可能なトレイが仕込まれています。鱗のような木目のレースウッドという木を使っています。

ハンナ
イギリス人のハンナの作品です。ハンナはプロのコンスタレーションアーティストです。彼女は外見も中身もアーティストタイプで、いつ現れ、いついなくなるかだれも予測がつきません。しかし姿は見えなくても、作品は着実に進んでいます。蟻組の小箱で、プラムの木で出来ています。イギリスの自宅に生えていたものだそうです。

ニール
地元カナダ出身のニールの作品です。これもプラムの木を使っています。ふたの部分がカーブした作品です。ニールは弱視というハンディを持っています。理系の出身でいつもなめるように本を読んでいて、博学な知識と数字にはだれも勝てる人がいません。ゆっくり作業を続けており、来年も1年目として続けることが決まっています。

デリック
カナダのウィニペグ出身のデリックです。冬はマイナス30-50度にもなるところだそうです。
彼は美大を卒業してこの学校にやってきました。知的ですが、欧米人にはめずらしく控えめな性格です。アジアの神秘的な思想や日本の美・禅に興味をもっています。
彼の小箱は留め隠し蟻組で出来ています。蟻組が組み手の中に隠されていて外側からは全く分からないようになっています。日本では指物で良く使う組方ですが、欧米では蟻組は見せるもので隠すことは考えられないことのようです。デリックは日本の組み手の本をみて独自に作り方を考えて作りました。彼の思想的な作品です。

他の作品は次回紹介しようと思います。

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